2021年6月4日金曜日

(K1495) きちんとカロリー計算した食事を取っているのに痩せてしまう

 【 カロリー計算 ・ 痩せる 】 摂取しているカロリー が、 消費エネルギー より多いはずなのに、痩せていくことがある。「こまめに量り、痩せていくときは要注意。減量の努力が必要な人はいるが、 急な体重減少 は筋力低下から虚弱につながる」


 老健施設や病院に入った高齢者が痩せてしまう事例は、多くの人が見聞きしているはずだ。きちんとカロリー計算した給食、病院食を取っているはずなのになぜだろう。最近、そもそも食事の必要量が足りていないかもしれないとする研究結果が発表された。

 摂取しているカロリーが、消費エネルギーより多いはずなのに、痩せていくことがある。

 

 市販の食材や調理品のエネルギーはカロリーで細かく表示されており、食べた分の計算はすぐできるようにも思える。しかし、「実際に取り入れたカロリーを厳密に調べるのはとても難しい。同じ食材でも品質に差があるし、献立ごとの推定も、調理法や盛り付けで大きく誤差が出る」。

 施設にいる高齢者が実際に摂取しているカロリーは、見かけ上のカロリーよりも1日当たりおにぎり1個分に相当する200キロカロリー余り少ない可能性が示された。原因は明らかではないが「過去の研究から、高齢者では消化吸収が衰える可能性があるのに、現状のエネルギー必要量の計算に消化吸収率の低下が考慮されていない」という。

 

 一方、消費エネルギーの厳密な把握がようやくできるようになったのは、今は世界的に用いられている「二重標識水法」が開発されてからだ。

 

 東京都内の高齢者施設に入所する71~99歳の28人について、エネルギーの出入りを比べる研究を行ったところ、対象者は1日平均300キロカロリー以上食べ過ぎていた。ところが、対象者の28人中7人は調査期間中、摂取量の方が多かったのにもかかわらず体重が減った。食べ過ぎならむしろ太るはずではないのか。

 

 そうした体重減少を防ぐには、食事のカロリー計算をもっと細かく、正確にすべきなのか。滋賀医科大の森野勝太郎IR室准教授(糖尿病内分泌内科)は、それよりも、日々の体重変動自体に注意を払うようアドバイスする。「こまめに量り、痩せていくときは要注意。医学的な判断によって減量の努力が必要な人はいるが、急な体重減少は筋力低下から虚弱につながる」と注意を促す。

 

<出典>

体重変動に注意し食事見直しを 高齢者施設、病院ではカロリー不足?

産経新聞(2021/05/28)

https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210518/mca2105180613009-n1.htm



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