2021年7月2日金曜日

(K1524) 39歳で認知症と診断された丹野智文さんからのメッセージ(1)

 【 認知症 ・ 診断 】 「私は認知症と診断を受けました」という人に予見なく接し、「正しく理解し」、それに即した付き合いをするのが良いのだろうが、難しい。その難しさを実感するだけでも、この番組を見た価値があったと思います。


 認知症にかかわるハートネットTVが放映されました。

 

 一口に「認知症と診断された人」(以下「認知症者」)といっても、様々な人がいます。認知症者(a)、認知症者(b)、認知症者(c)…。それぞれすごく違うのに、認知症者(a)を見知っている人はそのイメージで認知症を語り、認知症者(b)を見知っている人はそのイメージで語るので、会話が成立しなくなってしまいます。

 丹野さんは、“「認知症=何もできない」は違う、認知症になっても自分らしく生きられる”と語ります。それは正しいでしょう。しかし、“「認知症=何もできない」、認知症になって自分らしく生きられない”という人がいる、というのも正しいでしょう。正確に言うと、“「認知症(a)=何もできない」と「認知症(b)=何もできない」の両方が正しい。

 

 「私は認知症と診断を受けました」という人に予見なく接し、「正しく理解し」、それに即した付き合いをするのが良いのでしょうが、しかし「正しく理解し」が、とてつもなく難しい。その難しさを実感するだけでも、この番組を見た価値があったと思います。

 正直に言って、番組を観て自分が「正しく理解した」とは思えません。わからないことだらけです。「正しく理解した」を前提にしてつきあえればベストだが、現実としては、「よくわからない」を前提にしてつきあい、徐々に理解を深めるしかないのでしょう。

 

ハートネットTV 特集認知症2 これから認知症になるあなたへ

初回放送(済):202169() 午後800分 〜 午後830

===== 引用はじめ

 8年前に39歳で認知症と診断された丹野智文さんは、いま1冊の本を書いている。全国各地を訪れ、当事者300人以上と話し合ってきたことの集大成であり、認知症700万人時代に向けた今まで例のない具体的な提言である。今も自動車販売店で仕事を続け、旧来の認知症のイメージを打ち破る生き方に挑戦してきた丹野さん。「認知症=何もできない」は違う、認知症になっても自分らしく生きられると語る当事者の真実の記録。

===== 引用おわり

https://www.nhk.or.jp/heart-net/program/heart-net/1766/

 

「認知症のイメージを打ち破る」。ハートネットTV  Eテレ=800

===== 引用はじめ

 認知症をめぐる最新の動きを伝える2回目は、平成25年に39歳で認知症と診断された丹野智文さん=写真=に注目する。認知症について調べると絶望を誘う情報ばかで将来を悲観したが、実際は違った。仕事を続けながら、自ら認知症当事者のための相談窓口を開設するなど、認知症のイメージを打ち破る生き方に挑戦してきた。当事者と交流する彼の活動など通して、認知症とともに生きる社会の在り方について考える。

===== 引用おわり

産経新聞(2021/06/09)



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