2021年7月16日金曜日

(K1538) 認知症SF第二モデル(質の理論)(2)

 BPSD ・ 穏やかに暮らす 】 介護者 が対応に 苦慮する 症状 の多くは、 中核症状 よりも BPSD と言えるでしょう。感情の質を改善できればBPSDも改善される。循環している。 悪循環 を転じて 好循環 にしたい


 以下に書くのは、オリジナルで、タイトルにある「SF」は、Susumu Fujinamiの略です。

 

認知症SF第二モデル(質の理論)(2)

1.1.  認知症の症状

1.1.1.  認知症の主な症状は、中核症状と周辺症状に大別される

 中核症状は、脳の神経細胞の障害によって起こる認知機能障害です。「新しいことが覚えられない」「日付や場所がわからない」「物事の段取りができない」などがあり、初期からほぼすべての人に認められます。

 周辺症状は、中核症状と環境要因・身体要因・心理要因などの相互作用の結果として生じる様々な精神症状や行動障害を意味します。

 BPSDは(Behavioral and psychological symptoms of dementia)の略で、日本語訳では「認知症の行動・心理症状」と言います。以前は「周辺症状」と言われることが多かったのですが、BPSDは中核症状にも増して、本人・家族の負担が大きく、まさに中核的な症状のため、現在では「周辺症状」とは使わず「行動・心理症状(BPSD)」と表します。

http://midori-satohp.or.jp/article/47.html

1.1.2.  BPSDに注目する

 暴言や暴力、興奮、抑うつ、不眠、昼夜逆転、幻覚、妄想、せん妄、徘徊、もの取られ妄想、弄便、失禁などはいずれもBPSDで、その人の置かれている環境や、人間関係、性格などが絡み合って起きてくるため、人それぞれ表れ方が違います。

 BPSDがほとんど現れない人もいる一方で、かなり激しくBPSDが出てしまうこともあり、介護者が対応に苦慮する症状の多くは、中核症状よりもBPSDと言えるでしょう。

 BPSDの背景には、必ず本人なりの理由があります。行動の背景にある「なぜ」を考え、本人の気持ちに寄り添った対応をすることで、症状を改善できる場合も少なくありません。

https://www.ninchisho-forum.com/knowledge/kaigo/007.html

1.2.  認知症になっても穏やかに暮らすために

1.2.1.  BPSDと感情の質との関係に注目する

(1)感情の質を改善できればBPSDも改善される。感情の質が悪化するとBPSDも悪化する。すなわち、循環している。悪循環を転じて好循環にしたい

(2)避けたい感情と、目指したい感情

 避けたいのは、不幸感、否定感、怨嗟感(ルサンチマン)、自卑感、不安感などのNegativeな感情、目指したいのは、幸福感、肯定感、感謝感、自尊感、安心感などのPositiveな感情である。

 Negative感情を弱め、Positive感情を強めることにより、BPSD(認知症の行動・心理症状/周辺症状)の悪循環から、好循環の転換を目指す。5軸は互いに影響するので、改善を見込める軸から着手する。

1.2.2.  如何に、Negativeを抑制し、Positiveを喚起させるか

 各々の軸において、どこに位置しているのか。現状はどの軸が支配的になっているのか。抽象的ではなく、具体的に言うとどうなのか(一般論ではなく、目の前の人はどうなのか)、他のアプローチはないのか。五つの軸は連動しており、どの軸に重点的に働きかけるかが、大切な選択になる。

 

 このシリーズ終わり。

図は、前回と同じです。



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