2021年7月29日木曜日

(K1551) 「これができれば人生満足!」ボランティア。 すみれ会

 【 かんだ連雀 ・ 介護保険適用外 】念願だったカフェを訪れた。女性は明るい色の服でおしゃれをしており、表情もいつもとは違う。ふだんは足元がふらつく階段もしっかりした足取りで上り、会話がはずんだ。次の日には忘れてしまうが


 カフェでコーヒーを飲みながらのおしゃべり、寄席での落語見学…。介護保険制度でカバーできないお年寄りの願いを、地域のボランティアと一緒にかなえる取り組みを、東京都千代田区の高齢者福祉施設「かんだ連雀」のボランティアグループ「すみれ会」が行っている。題して、「これができれば人生満足!」事業。

 

 介護保険で満たされる部分と、満たされない部分とがある。その「満たされない部分」とは何か、そしてどうすれば満たされるのか。その答えの一つが、「すみれ会」にある。

 

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 ちょうどその頃、福本さんは、訪問介護を担当していた一人の女性のことで心を痛めていた。女性は訪れるたびに「一緒にコーヒーを飲みに行きましょう」と誘ってくれる。しかし、介護保険では一緒にコーヒーを飲むことは認められていない。福本さんがそう説明しても、認知症の女性は顔を見るたびに誘ってくれる。その誘いを断る繰り返しを心苦しく思っていたところだった。

 「人生満足」の第1号となったのがこの女性。平成30年8月、近くの大学のボランティアサークルの学生が「お茶のみ友達」をかってでてくれた。女性と、サポートにあたる福本さんと3人で、念願だったカフェを訪れた。女性は明るい色の服でおしゃれをしており、表情もいつもとは違う。ふだんは足元がふらつく階段もしっかりした足取りで上り、会話がはずんだ。福本さんは「次の日には忘れてしまいますが、友人とコーヒーを飲んで楽しくおしゃべりする日常を取り戻すお手伝いができた」と話す。

 別の高齢男性はジャズが好きで、かつてはギターやトランペットを演奏していた。男性ボランティアを交えてジャズ喫茶に行き、好きだったジャズの話で盛り上がった。日頃は指を動かすのもやっとだが、そのときばかりは、喫茶店の重い陶器のマグカップをしっかり握っていた。寄席を楽しんだお年寄りも表情が全く違っていた。

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<出典>

「人生満足」日常の喜びを取り戻す。東京都千代田区のボランティアグループ

産経新聞(2021/07/23)

これができれば人生満足! 日常を取り戻す

https://youyoulife.jp/human/4889/



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