【 読書 ・ 老人力 】アメリカは老人力理解不能の国だと思う。アメリカ人のペン軸というのは擦り減らないんじゃないか。すぐ失くしたり、すぐ壊したり、あるいはすぐ捨てちゃったりして、長年の間に擦り減るというイトマはないんじゃないか。
侘び、寂びが日本固有の文化であるように、老人力も日本固有の文化で、アメリカ人には分かりづらそうだ。
===== 引用はじめ
いや差別するわけじゃないが、アメリカは老人力理解不能の国だと思う。若さとパワーだけを頼りに全員ライフルを手にしてひたすら前のめりの一つ覚えでやってきた国だから、日本人にいきなり、
「老人力」
といわれても、え? といって、きょとんとした顔しか出来ず、とりあえずライフルを空に向けて一発ぶっ放すだろう。
アメリカ人の使うシャープペンシルでも指の当たるところは擦り減る。でもその擦り減った曲面がどうのなんて、考えない。
いや、そうじゃなくて、アメリカ人のペン軸というのは擦り減らないんじゃないか。すぐ失くしたり、すぐ壊したり、あるいはすぐ捨てちゃったりして、長年の間に擦り減るというイトマはないんじゃないか。
===== 引用おわり
ただ、日本もアメリカナイズされてきている。日本からも「老人力」が消えてなくなるかもしれない。
前回は、
(K1698)
古くなれば老人力、というわけではない / 「
老人力 」(33)
http://kagayakiken.blogspot.com/2022/02/K1698.html
<出典>
赤瀬川原平、「老人力」、筑摩書房、P.164
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