(K0475) 安楽死 / (1) 揺れるオランダ <臨死期>
===== 引用はじめ
2002年に世界初の安楽死法を制定したオランダが、「死なせてよい生命」の範囲をめぐって揺れている。安楽死の広がりで、認知症や精神障害者、「人生はもう無意味」と訴える高齢者まで死の権利を主張するようになり、国内で「行き過ぎ」という懸念も高まる。
===== 引用おわり
(1) 現状
(2) 境界線(3) 元来の目的
(4) 容認範囲が拡大することへの批判
【展開】
(1) 現状
安楽死者は昨年、国内で6585人。法施行直後に比べ、3倍増した。死者約23人のうち1人が安楽死していることになる。法は安楽死を末期患者に限定せず、精神的苦痛を理由とする場合も認めている。昨年、認知症を理由とする安楽死は169件にのぼった。
(2) 境界線
目下、論議の的となっているのは「高齢者の死ぬ権利」を認めるべきか否かだ。孤独や老衰、「人生はもはや無意味」と感じる心の苦痛を安楽死要件と認めるべきか。5年越しの裁判で争われている。
ケース: 母は物忘れがひどくなり、老衰で身動きできなくなった。「介護を待つだけの人生は耐え難い」と安楽死を求めたが、医師は「病気ではないから」と拒否した。母はそれでも執拗(しつよう)に死を求め、ヘリンハさんが見かねて致死薬を渡した。
(3) 元来の目的
安楽死は1973年、病床の母を死なせた女医の裁判判決で容認要件の骨格が示され、約40年の国民論議が法に結実した。
元来の目的は、望まない延命や末期がんの痛みから患者を救うことだった
(4) 容認範囲が拡大することへの批判
容認範囲が拡大することへの批判も強い。地域評価委員会の元委員で、14年に抗議辞任したテオ・ブール氏(倫理学教授)は「国民は死を管理するという考えに慣れ、なし崩し的に安楽死が広がっている」と警告する。
オランダの安楽死の要件については、添付写真参照。
<出典>
三井美奈、安楽死 揺れるオランダ
【特派員発】 産経新聞(2018/07/20)
安楽死どこまで 認知症・老いの孤独…広がる「死の権利」要求 オランダ・三井美奈
https://www.sankei.com/world/news/180722/wor1807220001-n1.html
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