2018年8月29日水曜日

(K0486)  ケアする人のセルフ・ケア、GRACE <介護>

 
 自立できない高齢者(a)がいて、介護する人(b)がいる。認知症の人(a)がいて、世話をする人(b)がいる。病人(a)がいて、看病する人(b)がいる。
 

 ケアされる人(a)がいて、ケアする人(b)がいる。
(1)  ケアする人(b)が、ケアされる人(a)をケアする
(2)  ケアする人(b)が疲弊してきたら、彼・彼女をケアする人(c)が必要になる
 
 終末期のがん患者(a)がいて、向き合い医療者(b)がいる。
 
===== 引用はじめ
 終末期のがん患者と向き合う医療者らの燃え尽きを防ぎ、よりよいケアにつなげる心のトレーニング「GRACE(グレイス)」が注目されている。患者の苦悩に対処し切れない無力感や罪悪感、チーム内の意見対立に伴うストレスなどを「マインドフルネス」(瞑想)で克服しようとする米国発の取り組みだ。
 医療現場では見落とされがちな自分自身のケアを重視しており、12月には研究会が設立される。(小野木康雄)
===== 引用おわり
 
 (b)=(c) 即ちセルフ・ケアを前提としているようだ。
 


 GRACEは、「マインドフルネス」と併せて「コンパッション」も重視している。
 
 「コンパッション」を和訳すると「慈悲」「思いやり」だ。患者の苦悩や悲嘆といった体験に寄り添い、何が役に立つかを感じる能力を指す。共感するだけでなく、和らげようと行動することまで含まれる。
 
 GRACEは、コンパッションに根ざしたケアを育むために構築された5つのステップを、英語の頭文字で表している。
 
G: Gathering attention
  注意を集中させる

R: Recalling intention
  動機・意図を思い起こす

A: Attunement to self/other
  自己と他者の思考、感情、感覚に気づきを向ける

C: Considering what will serve
  何が役に立つかを熟慮する

E: Enacting, ending
  行動する、終了する
 


<出典>
医療者の心 瞑想で癒す / 終末期がん患者と向き合い、無力感も…
産経新聞(2018/07/23)
添付図は、この紙面からの転載。


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