介護離職が高止まりしている。
===== 引用はじめ
家族の介護や看護のために仕事を辞める「介護離職」が高止まりしている。総務省の「就業構造基本調査」(2017年)によれば、16年10月~17年9月の1年間に離職した人は約9万9千人に上った。
===== 引用おわり
介護離職は、本人ばかりでなく、社会に与えるインパクトも大きい。
===== 引用はじめ
介護をしている40~50代は少なくない。こうした働き盛りの年代が突如職場を去ったならば業務の混乱は避けられない。生産性は下がり、税収にも影響しよう。介護離職者の8割は女性だ。===== 引用おわり
介護離職を減らすには公的な介護サービスを増やすしかない。ところが、受け皿となる特別養護老人ホーム(特養)などが圧倒的に不足している。
四つの問題点がある。
(1) 施設数を増やしたいが、地価が高すぎる
(2) 施設があっても、スタッフを確保できない(3) スタッフとして外国人受け入れるのは簡単ではない
(4) 「在宅」へのシフトが、介護離職に拍車を掛けている
【展開】
(1) 施設数を増やしたいが、地価が高すぎる
===== 引用はじめ
政府は2020年代初頭までに特養などの「受け皿」を前倒しで整備し、施設数も拡充する方針を明らかにしている。ただ、高齢者が今後激増するのは大都市部だ。地価が高く、思ったように進むかどうか定かではない。
===== 引用おわり
(2) 施設があっても、スタッフを確保できない
===== 引用はじめ
業務内容の厳しさに賃金が見合わず、介護現場は慢性的な人手不足にある。地域によっては特養のベッドの空きがありながら、スタッフが足りず待機者を入所させられずにいる例もみられる。政府は税財源による介護スタッフの処遇改善に乗り出しているが、厳しい財政状況下では限度があろう。
===== 引用おわり
(3) スタッフとして外国人受け入れるのは簡単ではない
===== 引用はじめ
外国人材の受け入れの拡大も図ろうとしているが、各国とも介護人材を求めている。要介護者の増大に追いつくほどの人数の外国人労働者を確保できるかどうかは分からない。介護職の場合、専門知識だけでなく一定の語学力や技能水準が求められる。===== 引用おわり
(4) 「在宅」へのシフトが、介護離職に拍車を掛けている
===== 引用はじめ
施設の受け入れ態勢の脆弱(ぜいじやく)さに加えて介護離職に拍車を掛けているのが、病院や介護施設から「在宅」へのシフトという政府の政策である。===== 引用おわり
<出典>
河合雅司(論説委員)、減らぬ介護離職 「在宅」シフト政策改めよ【日曜講座 少子高齢時代】 産経新聞(2018/09/16)
減らぬ介護離職 「在宅」シフト政策を改めよ 論説委員・河合雅司
https://www.sankei.com/premium/news/180916/prm1809160012-n1.html
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