===== 引用はじめ
若い方にも「介護の仕事」について楽しく知ってもらうため、六甲アイランド高等学校演劇部とコラボレーションし、高校生による演劇(オリジナル脚本)を上演するとともに、介護の専門職の方によるトークイベントを開催します。
===== 引用おわり
行こうか行くまいか迷ったが、「迷ったときは行け」の原則で見に行きました。見に行ってよかったです。
私なりに気づくことが多く、考えさせられました。率直な感想を以下に記します。
1.
演劇「龍馬と、私と、介護福志士?!」
1.1. 講演などでは伝えられないことが、演劇で伝えられることもある
1.2. 「介護福祉士らは単なる作業員でなく、知的な対人援助の専門家」2. トーク「本日くらべてみました トリオ the 介護の専門職+1」
2.1. 「スタッフが減ると、天気が良くても外にお連れできないです。それが辛いです」
2.2. 「そういう時期に入って来た人は、長続きしないことが多いです」2.3. 「一か月に一度外出できますが、普段見られないような笑顔で、それが嬉しいです」
3.
私の感想
3.1. 量が質を変え、質が量を変える
3.2. 質の向上。対人援助スキル・志向性を向上する3.3. 量の改善。外部ボランティア、外国人の導入
3.4. 量が質を変え、質が量を変える
【展開】
1. 演劇「龍馬と、私と、介護福志士?!」
1.1. 講演などでは伝えられないことが、演劇で伝えられることもある
講演は傍聴席から聴講者として耳と頭で聞くが、演劇では仮ではあるが「現実」の中に身をおいて、視覚も聴覚も働かせながら感性で受け止めるため、文字にすると同じ言葉でも異なった形で聴く人に入って来るのではないでしょうか。
1.2. 「介護福祉士らは単なる作業員でなく、知的な対人援助の専門家」
「介護福祉士の仕事は、
(a) 介護が必要なお年寄りや障害のある人に対して、スムーズな日常生活が送れるように、食事や入浴、排泄、歩行などの介助や
(b) 介護者からの相談に応じてアドバイスをしたり、介護者の精神面での支えになったりたりすることが主な仕事です。その他にも、介護福祉士は家族の介護をする方や介護現場で働くヘルパーさんに対して指導やアドバイスをすることも仕事のひとつです。」
https://www.acpa-main.org/kaigofukushishi/
「介護福祉士らは
(A) 単なる作業員でなく、
(B) 知的な対人援助の専門家」
(劇中の施設長の言葉)
一般的に介護福祉士のイメージは(a)(A)であり、(b)(B)を思い浮かべないのではないでしょうか
なお、
「基本的にヘルパーとは、老衰や心身の障害などの理由により、日常生活に支障のある高齢者や障害者の家庭をまわり、家事サービスや身体の介護を提供する人のことを言います。資格の有無は関係なく、介護職員やヘルパーさんなどと呼ばれます。 一方で、介護福祉士は社会福祉専門職の介護に関する国家資格の名称であり、資格取得者のことも指します。」
「ヘルパーと介護福祉士 資格取得者の仕事内容は基本的には変わりませんが、介護福祉士は別名「ケアワーカー」とも呼ばれ、現場の責任者になったり介護者に対して介護の指導を行うこともできます。 仕事領域において違いがあり、介護福祉士は介護のスペシャリストと言えるでしょう。」
https://www.acpa-main.org/kaigofukushishi/difference.html
ヘルパーは(a)(A)が主となるが、「介護福祉士らは単なる作業員でなく、知的な対人援助の専門家」であることには変わらない。ただ、専門性の程度、資格の有無、ウエイトの違いはあるのでしょう。
2.
トーク「本日くらべてみました トリオ the 介護の専門職+1」
特養の介護福祉士さんの話が印象に残りました。私は、市民後見人として特養によく行っていましたが、介護福祉士さんがこういう気持ちで仕事をしているとは気づきませんでした。
2.1. 「スタッフが減ると、天気が良くても外にお連れできないです。それが辛いです」
スタッフが減ると、一人当たりで担当する人が増えて辛いのだと思っていました。それもあるけれど、「天気が良くても外にお連れする」ことができなくても療養放棄にはならないだろうが、心ある看護福祉士さんにとっては大切な仕事であり、それができないことを取り上げて辛いと言ったのでしょう。
2.2. 「そういう時期に入って来た人は、長続きしないことが多いです」
スタッフが減り、一人当たりに充てられる時間が少なくなっても「単なる作業員」としての仕事は減らすことはできず、結果として「知的な対人援助の専門家」としての対応にしわ寄せがきてしまう。
そういう先輩たちの姿を見て、自らも「単なる作業員」としての仕事に追われると、他の職種に移りたいと思うのではないでしょうか。
2.3. 「一か月に一度外出できますが、普段見られないような笑顔で、それが嬉しいです」
私の通っていた特養でも、施設として一か月に一回の外出がありました。ただ、人数が多いので3分の1が対象となりローテーションするので、入居者にとっては三ヶ月に一度の外出になります。それでも外出した時の被後見人の写真を見せてもらうと良い顔をしていました。
その良い顔が介護福祉士さんにとって嬉しいのだ、とまでは気づいていませんでした。単に余分な仕事が増えるのではないのですね。
3.
私の感想
3.1. 量が質を変え、質が量を変える
介護福祉士一人当たりの「単なる作業員」としての仕事が増え、ある限界を超えると「知的な対人援助の専門家」の部分が崩壊し、介護福祉士としての仕事の質が劇的に変質してしまう。それに伴い辞めてしまう介護福祉士が増え、その結果介護福祉士一人当たりの入居者の数が増えてしまうという、悪循環が起こっているのではないでしょうか。3.2. 質の向上。対人援助スキル・志向性を向上する
介護福祉士の対人援助スキルを向上し(効率的になる)、志向性を向上する(意識がより対人援助に向かう)ことによって、質の向上(正確に言うと質の低下を小さくする)ことは、ある程度は可能なのではないでしょうか。
3.3. 量の改善。外部ボランティア、外国人の導入
そうは言っても、一人当たりの負荷を減らさないと、どうにもできない部分があるでしょう。外部ボランティアや外国人を導入してでも、「単なる作業員」の一部を外部に負担してもらって、介護福祉士の「知的な対人援助の専門家」として割り当てる時間を増やせないでしょうか。
3.4. 量が質を変え、質が量を変える
先輩たちの「知的な対人援助の専門家」の姿を見て、離職を思いとどまる人が増えないでしょうか。あるいは一度去った日本人介護福祉士に戻ってきてもらえないでしょうか。どこかで悪循環を断ち、好循環に転換できればよいのですが。
素人が外から見ての感想で、誤りがあるかもしれません。
今回の企画を通じて、すこしでも良い方向に向かうことを願います。
<出典>
日時:平成30年10月28日(日) 午後2時~4時会場:西区民センター なでしこホール(神戸市西区糀台5丁目6-1)
内容:演劇「龍馬と、私と、介護福志士?!」
出演:神戸市立六甲アイランド高等学校 演劇部
トーク「本日くらべてみました 『トリオ the 介護の専門職+1』」
主催:神戸市介護サービス協会
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2018/09/20180906132001.html
https://www.kobe-np.co.jp/news/odekake-plus/news/detail.shtml?news/odekake-plus/news/pickup/201810/11756705
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