(1) スピリチュアルペインは、様々な場面で見られる。
① 病気に直面した時・重篤の病気
② 貧困者・障害のために差別される人③ 人に助けてもらう高齢者
④ 虐待される子ども
⑤ 人間関係(いじめ)で傷つく人
⑥ 愛する人を亡くした人
⑦ ただ、漠然と…
(2) スピリチュアルペインは、二つの痛みを伴う
①
意味:「何のために生きるのか」「生きる意味なんかない」
②
関係性:「私を心から愛してくれる人はいない」「私は誰にも必要とされていない」
(3) スピリチュアルには、三つの特徴がある
①
「普遍性」:誰にでもある
②
「潜在性」:あるきっかけ、危機的状況で顕在化する③ 「主観性(主観的意味付け)」:自らが意味を見出す
(4) 「幸せの条件」が揃っていても、スピリチュアルペインを伴う
①
自殺未遂をした60人の学生に聞いた
②
①のうち85%は、人生が無意味に思えた(実存的空虚)③ ②のうち93%は、社会活動に熱心で、成績良好で、家族関係も良好だった
(5) 条件を整えることによっては、スピリチュアルペインは解消しない
① 貧乏が原因なら資金援助をすればよい。怖いと恐れられている癌にも三大治療(「手術(外科治療)」「薬物療法(抗がん剤治療)」「放射線治療」)がある。癌などによる痛みも、モルヒネを使えばかなり抑えることができる。精神疾患には向精神薬があるしカウンセリングもある。しかし、スピリチュアルペインは病気ではなく、条件を整えることにより消し去ることはできない
② スピリチュアルペインには「主観性(主観的意味付け)」が関係する。自ら意味を見出す、新しい価値体系を構築することが必要になる。この価値体系は、誰かが誰かに与えられるものではない
③ つまり、スピリチュアルペインに苦しむ人に、「こうしてあげたら解決できる」というような解決策は無い
<出典>
藤井美和、「寄り添いに求められるもの」、連続公開講座「生きづらさの中を生きる」(社会福祉法人神戸いのちの電話主催)、神戸市立総合福祉センター、2019/04/04
0 件のコメント:
コメントを投稿