2019年4月23日火曜日

(K0720)  売れない週刊誌 / このブログを考える <研究所・体制>

 
 「売れない週刊誌 おやじ系路線で生きる術なし」という見出しが気になった。
 
 このブログは、「少子高齢社会において、輝き続ける人生を全うすることを目指し、個人の発達と社会システムの構築を促します」を目指している。「おやじ系」で生きようとすると、「読まれないブログ」になってしまうのだろうか。
 

1.   輝いていた週刊誌

2.   週刊誌が読まれなくなった理由

3.   気を吐いていた『週刊文春』も、部数は減り続けている

4.   『週刊現代』と『週刊ポスト』は、生ネタを入れにくい

5.   最近の週刊誌動向

6.   自らが終活の道に進み始めた週刊誌

7.   どこに問題があるのか

8.   このブログの方向性
 


【展開】

1.   輝いていた週刊誌

 私(=著者・元木正彦氏。以下、同じ)が現代の編集長だった平成7年は、阪神・淡路大震災に見舞われ、続いて地下鉄サリン事件が起きた騒然とした年であった。
 情報を求めて読者は何冊も週刊誌を買い、むさぼるように読んでくれた。今思えば、この頃が週刊誌の黄金時代だったと思う。
 

2.   週刊誌が読まれなくなった理由

(1)  「新聞、テレビにできないことをやる」。これが出版社系週刊誌の存在理由である
(2)  週刊誌が読まれなくなった要因はいくつもある。だが、一番大きな要因は、週刊誌にしかできないテーマを見失ってしまったことと、週刊誌の最大の読者層であった団塊世代が年齢を重ね、定年、年金生活、高齢者になったことだと、私は思っている
 

3.   気を吐いていた『週刊文春』も、部数は減り続けている

(1)  多くの週刊誌が元気のない中、新谷学編集長率いる『週刊文春』だけがスクープを連発し、気を吐いた。特に、政治家から芸能人まで、これほど多いのかとあきれるほど「不倫」情報が毎週のように誌面に載った
(2)  だが、その文春砲にも陰りが出てきた。新谷編集長が交代したこともある。雑誌は編集長のものだから、同じ雑誌でも編集長が替われば中身も変わる。それに、あれほどスクープを放ったにもかかわらず、部数は減り続けている
 

4.   『週刊現代』と『週刊ポスト』は、生ネタを入れにくい

 現代と『週刊ポスト』は元々、木曜日校了で月曜日発売のため、生ネタは入れにくい。その上、人員や経費を削減されたから、現代は早々に事件やスクープを追うことを諦めたようだ。
 

5.   最近の週刊誌動向

(1)  私が現代の編集長だったとき、40歳前後だった読者平均が今は60歳前後だろう。その世代にターゲットを絞り、「死ぬまでSEX」「60歳を過ぎたら受けてはいけない手術」「飲んではいけない薬」と、性と健康に絞った企画をやり始めた
(2)  それが一段落すると、次に、団塊世代を親に持つ団塊ジュニアをターゲットにして、40年ぶりに大改正された相続法を詳しく解説する特集を始めた。それが当たったのだ。文春、新潮、女性誌までが相続特集をやり始めたのだ。これがロウソクの火が消える前の一瞬の輝きでなければいいが
 

6.   自らが終活の道に進み始めた週刊誌

(1)  おやじ系週刊誌が生き残る術(すべ)はもはやないと思う。団塊世代が後期高齢者になる2025年までだろう
(2)  だが、消えていく前に、今一度原点に立ち返り、不倫や密愛ではない、週刊誌にしかできないスクープを見せてほしいものである
(3)  週刊誌よ、自らが終活の道に進んでどうする
 

7.   どこに問題があるのか

 先日亡くなった作家の橋本治氏が自著『思いつきで世界は進む』(ちくま新書)で、おやじ系週刊誌は金の話とセックス記事ばかりで、社会で起きていることを伝える記事がほとんどなく、「閉じつつある自分のことしか関心が持てない」と嘆いている。
 

8.   このブログの方向性

 このブログでは、不倫もセックスも取り上げていない。健康やお金の話題に、たまに触れている程度だ。考えて見ると、このブログは「閉じつつある自分のことしか関心が持てない」に抗っている。実際にどの程度読まれるかはさておき、このブログの方向性に間違いはないと思った。
 


<出典>
元木昌彦、売れない週刊誌 おやじ系路線で生きる術なし
【iRONNA発】 産経新聞(2019/04/2)
 
【iRONNA発】売れない週刊誌 おやじ系路線で生きる術なし 元木昌彦氏
https://www.sankei.com/column/news/190422/clm1904220004-n1.html





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