2019年4月30日火曜日

(K0728)  コルテム / 認知症の人の財産を守れ <高齢期の家庭経済><脳の健康>

 
 テーマは、前回と同じ、高齢者特に認知症の人の財産を守る。
 


 「金融機関や医師、法律家らが「コルテム」というネットワークをつくり、認知症の人の財産保護に加え、自分のお金を上手に管理できる仕組みづくりを模索する。」

 『コルテム』とは何者か。
 
===== 引用はじめ
 COLTEM(コルテム)
Collaboration center of Law, Technology and Medicine for autonomy of older adults
 
 高齢者の地域生活を健康時から認知症に至るまで途切れなくサポートする法学、工学、医学を統合した社会技術開発拠点
===== 引用おわり
http://www.shigakukan.ac.jp/information/topics/post_554.html
 


 「患者に治療の同意を得る手順を、金融機関で応用できないか」という発想らしい。
 
===== 引用はじめ
 「はい」や「いいえ」だけで答えると、高齢者が内容を本当に理解して契約しようとしているか把握が難しいと成本教授は説明。そこで手術など高度な治療の同意を得る時と同様に、金融商品の契約でも自分の言葉で内容を説明してもらったり、複数の人で本人の理解や意向を確認したりすることを提案する。
===== 引用おわり
 
 
 どうなのだろうか。私には、怪しげに見える。

 
 実際に認知症の人に「コルテム」を適用して何らかの答えが出たとする。しかし、それが正しいと、どうやって証明できるのだろうか。それが正しいかどうかを検証できないまま、「認知症の方のご意向は、…です」と決めつけてしまうことになるのではないだろうか。
 

 潤うのは誰か。法学、工学、医学。みんなが研究費をもらってハッピー。
 塩漬けになってしまいそうなお金が、この「コルテム」によって投資に使ってくれると、金融機関もハッピーになる。
 
 「コルテム」の判断によって投資して、それを誰が保証するのだろうか。研究者が責任を取るとは思えない。投資である限り、リスクは伴う。「この手法によって、本人の意思は確認したので、自己責任だ」と言い張るための根拠づくり(言い訳・言い逃れ)をしているのではないか。
 

 研究者が悪意をもっているとは思わない。「認知症の人やその家族の為に」という思いがあるのだろう。それでも私には、ひっかかる。
 認知症は、金づるにもなる。
 


<出典>
認知症の人の財産を守れ 金融機関や医師ら連携、口座管理のアプリも
産経新聞(2019/04/19)
 
認知症の人の財産を守れ 金融機関や医師ら連携、口座管理のアプリも


 
 

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