2019年8月24日土曜日

(K0845)  在宅医療を可能にするもの <臨死期>

 
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この事例では、最期に在宅を可能とするのは、(1)本人の強い意志、(2)本人の意思を尊重して在宅を実現しようとサポートする人たち、(3)痛みのコントロール。単に「最期は在宅で」と言うだけでは実現しない
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 心臓がゆっくり動く、いつ心臓が止まっても不思議ではない90歳代の独居の女性

===== 引用はじめ    段落変更
 … 食道や胃に悪いもの、がんなどができているのではないかと思い検査を勧めたのですが、拒否されました。しっかりと判断されての拒否ですから無理強いはできませんでした。

 ある日訪問に行くと、その方は室内で倒れていらっしゃいました。出性の吐物がありました。がんからの出血でしょう、呼び起こすと意識はありましたが、 … ベッドまで連れて行くことができました。
 さてどうすると、ご本人に聞くと「病院に行きたくない」とのこと。このまま在宅でみていこうという私。でも「しんどい」と言い続ける本人。ここでみるのは無理だという看護師。「本人が行きたくないというなら病院に行くのはいいよ。でも私たちがみきれないから病院に連れて行くのはあかん」と言いました。
 そして、苦痛をとるべく、医療用麻薬を使おうと思いましたが、「この人、がんだろうと思うけど、がんの病名がついていない。医療用麻薬が使えない」と気づきました。
 苦痛を取る薬が使えない状況で在宅での療養を続けるのは単に苦痛を放置しているだけになってしまいます。 … がんであることを診断してもらうために病院に行き、そのあとまた在宅復帰し、医療用麻酔が使える状態になれば在宅でもみていけるのではないかと考え、救急搬送しました。
===== 引用おわり
 


<出典>
救急搬送、そして在宅復帰へ
【在宅善哉・尾崎容子】 産経新聞(2019/08/16)

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