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特殊詐欺は高齢者を巧みにだまし、老後の蓄えや生活費をむしり取る。失われるのは財産だけではない。被害にあったことで自分を責め、死を選んでしまう人もいる。自尊心まで奪う悪辣(あくらつ)な犯罪なのだ
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1.
被害の実態
1.1. 全国の特殊詐欺の被害額は、7年連続で300億円を超えている1.2. 1日に8千万円被害
1.3. カードすり替え詐欺盗は全国的に増えている
1.4. 認知件数全体に占める高齢者の割合は約82%に上る
2. 最近では新たな手口として「カードすり替え詐欺盗」が目立ってきている。
3. 「家族に見捨てられた。死ぬしかない」
4. 対策
4.1. 政府の対策
4.2. 自衛も必要だ。
4.2.1. そもそも電話に出ない
4.2.2. 相手の手口を知るのもいい
4.2.3. 相談できる環境をつくる
【展開】
1.
被害の実態
1.1. 全国の特殊詐欺の被害額は、7年連続で300億円を超えている
警察庁によると、全国の特殊詐欺の被害額は平成26年の約565億円をピークに、30年の約382億円まで7年連続で300億円を超えている。
1.2. 1日に8千万円被害
今年上半期でみると、前年同期と比べて約39億円減らしたものの、被害額は約146億円に上る。巨額すぎて現実味がないかもしれないが、1日あたりでみた被害額は約8069万円で、1件あたりの被害額は約191万円。被害の深刻さが身近に感じられるのではないだろうか。
1.3. カードすり替え詐欺盗は全国的に増えている
カードすり替え詐欺盗は全国的に増えており、警察庁は30年の統計から特殊詐欺の一つとして計上。今年上半期では、認知件数が1393件と前年同期に比べて829件の大幅増となり、被害額も約20億円と同約13億円も増えた。
1.4. 認知件数全体に占める高齢者の割合は約82%に上る
大阪府警が受け子を摘発したカードすり替え詐欺盗のターゲットも70、80代の男女だった。特殊詐欺の被害に遭うのはいつも高齢者だ。警察庁の統計では、今年上半期の被害の認知件数全体に占める高齢者の割合は約82%に上る。
2.
最近では新たな手口として「カードすり替え詐欺盗」が目立ってきている。
「キャッシュカードが偽造された」などと嘘の電話をかけ、犯人グループが高齢者宅を訪問。持参した封筒にキャッシュカードと暗証番号を書いたメモを入れさせ、保管するよう告げるのだが、ここで封筒を偽物とすり替える-。高齢者の手元に封筒が残る安心感で事件の発覚を遅らせるという狡猾(こうかつ)な手口だ。
3.
「家族に見捨てられた。死ぬしかない」
関西の高齢男性は、遠いところに嫁いだ娘になりすました犯罪グループから「子供が重病になり、150万円が必要」との電話を受け、被害にあった。その後、男性は親族から「恥ずかしいから誰にも言うな」などと言われ、絶望した。電話口で1時間以上相談した男性は「捨てられた」と繰り返し、「住職、楽な死に方を教えてくださいよ」と漏らしたという。
4.
対策
4.1. 政府の対策
政府は9月、特殊詐欺に使われた固定電話番号を使用停止にする新対策の運用を始めた。関係機関は被害根絶に向けてあらゆる手段を講じなければならない。4.2. 自衛も必要だ。
4.2.1. そもそも電話に出ない
特殊詐欺の電話の多くは固定電話にかかってくるといい、そもそも電話に出ないことも有効。留守番電話に録音し、様子を見るのも手だ。
4.2.2. 相手の手口を知るのもいい
千葉県警がホームページで実際にあった犯行電話の音声を公表しているので一度聞いてみてほしい。
4.2.3. 相談できる環境をつくる
「こんな電話が来たけど大丈夫?と相談できる関係を周囲につくることが大切」。篠原さんは高齢者が孤立しないようにすることが大切だと訴える。
<出典>
高齢被害者、自責の果て 特殊詐欺は命までも奪うhttps://special.sankei.com/f/society/article/20191012/0002.html
産経新聞(2019/10/12)
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