2019年10月27日日曜日

(K0910)  家族と人口 / 「家族の解体」(2) <家族の再構築><少子高齢化>

 
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日本では少子化と高齢化が同時に進み、共同体の基盤が危うい。生命体を再生産する機能をもつものは家族だ。家族維持への指向性がこの社会から消滅しつつある。個人の尊厳の呪縛から自らを解き放つのが課題だ
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1.   家族解体、地域共同体・日本という国家自体が衰滅へ【再掲】
 日本の家族は着実に「解体」に向かって進んでおり、これが推移していけば地域共同体はもとより日本という国家自体がいずれ衰滅するのではないかという不吉な予感さえ漂う。
 
 
2.   日本の人口

2.1.  年間出生数(図参照)
 日本の年間出生数は、1949年に270万人、2016年に98万人。67年間で36%にまで減少している。
 
2.2.  生産年齢人口
 「生産年齢人口」(15歳~64歳人口)は1996年に減少に転じている。人手不足は実はもう20年以上前から始まっていたのである。
 
2.3.  合計特殊出生率
 「合計特殊出生率」(一人の女性が生涯を通じて生む子供の数)の昨年の値は1・42であった。2%以上でないと、人口を維持できない。
 
2.4.  生涯未婚率
 「生涯未婚率」(50歳までに一度も結婚したことのない人の比率)急増して昨年は男性23%、女性14%ほどになったという。
 
2.5.  平均寿命
 平均寿命の方は今なお高まりつつある。昨年は男性81・3歳、女性87・3歳、いずれも日本の人口史上で最高齢、世界でもトップクラスである。


3.   令和新時代に「呪縛」解け

3.1.  少子化と高齢化の同時進行
 少子化とは、人間という生命体の再生産の機能が日本の家族から失われつつあることを意味する。少子化が高齢化と同時に進めば、高齢者の老いを支える共同体の基盤はほどなく危うい。
 
3.2.  生命体を再生産する機能をもつ家族
 生命体を再生産する機能をもつのは家族である。この機能を代替するものは家族の外にはない。少子化とは、家族維持への指向性がこの社会から消失しつつあることを示唆する。少子化の主因が未婚と離婚率の増加にあるからだ。
 
3.3.  家族の解体の進行
 日本における家族の解体は、音もなく、そして気がつけば社会の崩壊を招きかねないマグニチュードで進んでいる。
 
3.4.  課題:個人の尊厳の呪縛からの解放
 西教授は、家族が「社会の基礎的単位であること」「国および社会の保護を受けること」、この2つを柱とする家族条項を憲法に導入すべしと提唱している。個人の尊厳の呪縛からいかにして自らを解き放つか、令和新時代日本の深淵なる課題である。
 

<出典>
「家族の解体」ここまできている 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫
産経新聞(2019/10/21)
https://special.sankei.com/f/seiron/article/20191021/0001.html
 
「出生数・出生率の推移」(内閣府)
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/data/shusshou.html

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