2019年10月20日日曜日

(K0903) 「平穏死」という言葉の誕生 / 平穏死(A-2)<臨死期>


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スパゲッティ症候群(病気の治療や救命処置のために、たくさんの管や電線などをからだに取りつけられた状態)は、拷問か虐待に見える。最期に過剰な延命治療さえしなければ、穏やかに、枯れるように死んでいける
☆☆
 
===== 引用はじめ
 「平穏死」という言葉は東京の特別養護老人ホームの嘱託医を務めておられる石飛幸三先生がつかわれた造語です。

 平均寿命をとうに過ぎた人の胃に穴があけられたり、24時間、鼻から胃まで管が通されていたら、本人はどう思うでしょうか。そんな状態でベッドに横たわって生きていることを、本人はどう感じているのでしょうか。
 少なくとも石飛先生には拷問や虐待にしか見えなかったそうです。
===== 引用おわり
 
 
 延命治療を強く拒否した末期の食道がんの患者さんは、かろうじて1日にコップ2~3杯の水が飲める状態。それでも、点滴も拒否されました。

===== 引用はじめ
 栄養がまったく摂れないのですから、私は患者さんの様子から推定して、もってあと2~3週間かな、と思っていました。
 ところがです。患者さんは1カ月経っても元気で病院内を歩き回っていました。 … 結局3カ月近く生きて、2~3日だけ寝込み、本当に穏やかに、苦しみらしい苦しみもほとんどなく、枯れるように亡くなりました。…
===== 引用おわり
 

 最期に過剰な延命治療さえしなければ、たとえ末期がんでも人は穏やかに、枯れるように死んでいける。「それまでの私の医療に対する考え方や価値観が180度転換した出来事でした。」

 
<出典>
長尾和宏、「平穏死 できる人、できない人」、PHP研究所(2014)P.14-17
 
「平穏死」を受け入れるレッスン  (一冊まるごと朗読)
https://www.youtube.com/watch?v=HLLJMgWGHYk&list=PLQ7pU8kKMXNGNIXSTlAqyNtbW76VjW-LE

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