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都市部の急速な高齢化は、社会保障費の増大など、さまざまな問題を引き起こす。それ以上に、変化に躊躇しがちな高齢者を背景に、都市そのものから柔軟性が失われることが、高齢化社会の隠された危機なのではないか
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人の老いは、個人にとどまることが多いが、それが都市の老いになると深刻になる。
おおよそ人は、老いると変化を好まなくなる。一つは、変化はエネルギーを喰うが、そのエネルギーが枯渇しつつあるため。もう一つは、変化した結果の成果を自分は享受できないので、変化せず今までの延長線上で楽に生きたいため。これは、きわめて自然な反応である。
ところが、変化しない高齢者が都市の意思決定の多数派を構成してしまうと、都市が老いてしまう。
その結果、都市が時代の要請に呼応することができなくなり、問題が発生してしまう。未来の都市に住む若者は、それでよいのだろうか。
この問題を高齢者に帰結するのはおかしい。高齢者は、自然に振る舞っているだけだ。未来を生きる若者たちが、主体的に議論し、行動し、投票していくことが大切なのではないか。
若きケネディーを産みだしたアメリカでも、トランプ(74才)、バイデン(77才)。若者はどこにいるのだろうか。
===== 引用はじめ
政治生命をかけた大阪都構想が頓挫し、政界から身を引くと表明した大阪維新の会代表、松井一郎大阪市長は、何と戦ったのだろうか。自民や共産などの反対派か、それとも住民説明会の足かせになった新型コロナウイルスか。松井氏の前に立ちはだかったのは、そのどちらでもない、都市の「老い」だったのではないかと感じている。
投票日当日の投票所で産経新聞社が実施した出口調査で、興味深いデータがある。10~40代の各世代では賛成がほぼ上回ったが、50代で拮抗(きっこう)、60代、70代以上で反対の割合が大きく増加していた。
それを裏付けるように市内24区ごとに見ると、高齢者が多い区が、反対多数となる傾向がみられた。
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大阪市に限らず、都市部の急速な高齢化は、社会保障費の増大など、さまざまな問題を引き起こす。それ以上に、変化に躊躇しがちな高齢者を背景に、都市そのものから柔軟性が失われることが、高齢化社会の隠された危機なのではあるまいか。
===== 引用おわり
<出典>
大阪都構想阻んだ都市の「老い」
産経新聞(202/11/4
夕 )
https://special.sankei.com/a/politics/article/20201105/0001.html
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