2020年11月13日金曜日

(K1293)  生き仏の感覚に近いのですね <臨死期>

☆☆

「生き仏のお話が身近なものとして感じられるのだけど、その感覚に近いのですね」「生き物として自然なありようをたどる方は、地面から離れて仏様の世界に入りつつあるのか!」あんなにまぶしいほどに感じられる

☆☆

 

 前回からの続き。

前回:もう自分の体には水も栄養もいらないとおっしゃり、穏やかに眠りと覚醒を短い周期で繰り返す終末期のご様子はものすごく神々しく、光に満ちているように(私は本当に視覚的にまぶしいと感じることが多いです)感じられます。

 

 このような説明をこの退院前のご家族にしたところ、「わかります―」と目を輝かせておっしゃられました。ご家族は山形県のご出身の方で、山形県には「生き仏」となる僧侶がいらっしゃったのだそうです。その方にとっては「生き仏のお話が身近なものとして感じられるのだけど、その感覚に近いのですね」、そう言われて私は腑に落ちました。「生き物として自然なありようをたどる方は、地面から離れて仏様の世界に入りつつあるのか! だからあんなにまぶしいほどに感じられるのか!」と思ったのでした。

 

 医療と仏教などの宗教のことを一緒にすることの是非はともかく、患者自身の体感覚を大切にしながら終末期を過ごすということが周囲の人の心も穏やかにするものなのだなと思いました。点滴は終木期には必ずしも必要ないのだということを多くの方に実感していただけるといいなあと思います。

 

<出典>

終末期 患者の体感覚を大切に、

【在宅善哉】 産経新聞(2020/11/07)



0 件のコメント:

コメントを投稿