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「自分は結核だから無理に退院させられる」→「お義母さんは結核ではありませんよ」or「この病院は結核でも退院しなくてもいいのですよ」。どちらで反応すればよいか?心の中に入れれば、自ずと見えてくるだろう
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認知症の方の「自分は結核だから無理に退院させられる」に対して、「結核でないから無理に退院させられることはない」という説明は、通じない。何故なら、
(1) 「自分は結核」は固い信念で、不合理ではあるが揺るがない
(2) 核心的な心配「退院させられる不安」にアプローチしていない
認知症で不安に思っている人に寄り添う。
(1) A子さんの心配「自分は結核だから無理に退院させられる」
(2) K子さんの発言「お義母さんは結ではありませんよ」→納得してくれない(3) A子さんの戻っているところ「結核でつらい思いをしたころに戻っている」
(4) A子さんに落ち着いてもらうには「この病院は結核でも退院しなくてもいいのですよ」
(5) 認知症の人の不安を和らげる対応のひとつ「介護の日々は名優となれ」
【展開】
(1) A子さんの心配「自分は結核だから無理に退院させられる」
===== 引用はじめ93歳のA子さんは最近、「自分は結核だから無理に退院させられる」と心配しはじめて、とても落ち着かない状態になり、他県に住む息子の妻であるK子さんに頻繁に電話してきます。
===== 引用おわり
(2) K子さんの発言「お義母さんは結核ではありませんよ」→納得してくれない
===== 引用はじめK子さんは「お義母さんは結核ではありませんよ」と答えますが、いくら説明しても納得せず、すぐにまた同じ電話がかかってきます。
===== 引用おわり
(3) A子さんの戻っているところ「結核でつらい思いをしたころに戻っている」
===== 引用はじめ
A子さんは若いころ結核になり、療養生活を送った経験があるそうです。K子さんは、「お義母さんの妄想」といいますが、義母は結核でつらい思いをしたころに戻っているのだと考えられます。
===== 引用おわり
(4) A子さんに落ち着いてもらうには「この病院は結核でも退院しなくてもいいのですよ」
===== 引用はじめ
どうすれば義母を落ち着かせることができるのでしょうか。義母は「退院させられる」と心配しているのですから、退院しなくてもいいのだと思ってもらえばいいのです。だから、「この病院は結核でも退院しなくてもいいのですよ」と言ってみてください。
===== 引用おわり
(5) 認知症の人の不安を和らげる対応のひとつ「介護の日々は名優となれ」
===== 引用はじめ
「そのような嘘(うそ)は言えない」と考える人もいますが、これは認知症の人の不安を和らげる対応のひとつの方法です。以前、NHK介護百人一首に、「今日は母 昨日は娘 明日は何 介護の日々は名優となれ」(埼玉県・安藤幸男さん作)というのがありました。この句もそのことを教えています。
===== 引用おわり
<出典>
不安を和らげるため“名優”に【高見国生の認知症と歩む】(22) 産経新聞(2019/09/06)
【高見国生の認知症と歩む】(22)不安を和らげるため“名優”に
https://www.sankei.com/life/news/190906/lif1909060014-n1.html
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