2019年9月30日月曜日

(K0881)  孤食の死亡リスク、遠隔共食 <社会的健康>

 
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高齢者が独りで食事をする「孤食」が健康長寿の阻害要因と指摘されている。同居していても、孤食だと共食の1.5倍の死亡リスクになる。最新機器を使って外出せずに会食できる「遠隔共食」の研究が進んでいる
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A)   孤食が死亡リスクを高める
 
1.   実験

1.1.  東京医科歯科大大学院の谷友香子助教。谷助教ら

1.2.  65歳以上で日常の介助が不要な男女約7万人のデータ

1.3.  4群に分け、3年間追跡し、孤食と死亡との関連を調べた
1.3.1. 「同居で共食」
1.3.2. 「同居で孤食」(配偶者以外との同居による食事時間のずれなどで孤食)
1.3.3. 「独居で共食」(友人や近所に住む子供などとの共食)
1.3.4. 「独居で孤食」
 

2.   結果

2.1.  男女とも「同居で共食」の人に比べ、孤食の人の死亡リスクが高くなることが分かった
2.2.  特に、男性の「同居で孤食」の人は、「同居で共食」の人を1とした場合、死亡リスクが1・5倍と有意な差が出た
 

B)   「遠隔共食」
 
1.   実験

1.1.  問題解決のため、インターネットを活用し、テレビ会議の「食事版」のように離れた人と一緒に食事をする「遠隔共食」の実験を行っている
1.2.  東京電機大システムデザイン工学部の武川直樹教授と徳永弘子共同研究員のグループ
1.3.  27~29年にかけ、離れて住む親子3組に対し、親子それぞれの自宅の食卓にタブレット端末を設置。映像とともに通話ができるアプリを使って、相手を見ながら一緒に食事をしてもらい、継続的に行うとどんな効果があるか調べる実験を行った
1.4.  期間は8週間で、最初の2週間は共食は行わず、残りの6週間について、最低でも週に1回遠隔共食をしてもらい、最初の2週間と最後の2週間とを比較、変化を記録してもらった
 
2.   結果

2.1.  主観的な幸福感の変化の項目で、親の「体調」「気分」「存在意義」「あすへの意欲」がそれぞれ向上した
2.2.  その際の映像を分析したところ、食事内容を毎回、見せ合う親子がいることも分かった … こうした話題をきっかけに食事内容を改善させる可能性がある
 
 
<出典>
【100歳時代プロジェクト】ネット活用「遠隔共食」 健康長寿阻む「孤食」解消へ
https://www.sankei.com/life/news/190926/lif1909260014-n1.html
産経新聞(2019/09/26)


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