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「あなたはこのままお母さんを餓死させる気ですか」という“悪魔のささやき”にのった息子、「胃ろうをしないと訴えますよ」に抗しきれない医者。その結果、入院して「医療」を受け、4時間後に亡くなったお母さん
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(1) 悪魔のささやき
(2) 強い訴え
(3) 結末
(4) 入院前後
【展開】
(1) 悪魔のささやき
在宅医療の経験が浅い訪問看護師がやってきて、「口から食べられないなら、私が鼻から胃に管を入れて栄養剤を入れましょうか。そうすれば少し長生きできますよ。あるいは胃ろうにしましょう。あなたはこのままお母さんを餓死させる気ですか」と言われたそうです。
(2) 強い訴え
とにかく「いますぐ胃ろうをつくってくれる病院を紹介してください」と言われました。グズグズしていると「胃ろうをしないと長尾先生を訴えますよ」とまで言いだしたので、やむなく私は急遽胃ろうを造設してくれる病院を探して急遽搬送しました。
(3) 結末
病院に移送してわずか4時間後にお母さんは亡くなってしまいました。理由は(K0916)B)③を参照してください。
(4) 入院前後
高齢のお母さんの体は骨と皮ばかりのまるで“干し柿”のようでした。言い方を変えれば“干し柿”という形に姿を変えて、長く生きようとしていたのです。脱水の補正と人工栄養としての急激な点滴が、かろうじて生き延びようとしていたけなげなお母さんに最後のとどめをさしたのです。
<出典>
長尾和宏、「平穏死 できる人、できない人」、PHP研究所(2014)、P.42-45添付図は、
https://carenote.jp/sozai/illust/peg-irou/
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