2019年11月17日日曜日

(K0931)  認知症の有病率を下げる <認知症>

 
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極論すれば、長生きするということは認知症になるということだ。95歳以上になれば80%は認知症になる(何故か男性は50%)。寿命より後ろまで、認知症発症時期を遅らせれば、一生認知症にならないですむ
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認知症年齢別有病率の推移等について
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/ninchisho_kaigi/yusikisha_dai2/siryou1.pdf
 

===== 引用はじめ
 認知症の発症を2年遅らせることができれば患者は20%減、5年間遅延できれば半分近くを減らすことができると試算されています。認知症は人生の最後に起こるので、数年でも発症遅延ができれば有病率が下がるのです。
===== 引用おわり
 
 第一文は知っていたが、疑わしいと思っていました。第二文を読んでなるほどと思いました。
 
 こういうことです。

 「余命2年で認知症でない人」が1年後に認知症になったとする。その発症が2年遅れると、発症は今から3年後になるので、その時はもう死んでいる。つまりこの人は、認知症になることなく、一生を終えることになる。
 高齢者とは、すなわち、余命の短い人です。「余命1年の認知症でない人」は、認知症発症を1年遅延させると、この人は認知症になりません。余命5年の認知症でない人は、認知症発症を5年遅延させると、この人は認知症になりません。「余命5年の認知症でない人」は、高齢者の中にはたくさんいるでしょう。その人たちは、個人としては認知症を患うことなく一生を終える人であり、統計上は、認知症有病率を下げる人です。
 遅延は、5年でなく3年でも、認知症有病率を押し下げます。発症が3年後の「予定」の人の認知症発症が3年延びると、発症は6年後になるので、余命が5年なら、やはり「一生」、認知症になることはありません。

 個人にとっても家族にとっても、認知症になりたくないのが当然ですが、認知症のために社会コストがかかるので、有病率が下がる事は、社会全体にとってもありがたいことです。そこで余裕の出た予算は、他の目的で使うことができます。
 
<出典>
島田裕之介、運動不足解消と頭使う工夫必要、セミナー「かかりつけ医による軽度認知障害(MCI)の早期発見と認知症の予防」(太陽生命保険・日本臨床内科医会 共催。2019/09/29)



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