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MCI(軽度認知障害)は早期発見が重要だが、テストを受けたくないというのが普通の高齢者。「MCIチェックリスト」(日本老年精神医学会)が優れもの。さまざまな認知症を家族や医療関係者でも早期発見できる
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MCI(軽度認知障害。認知症予備軍)は、年齢に比べ記憶力が低下している状態です。
(1) 日常生活の動作は正常にできますが忘れっぽいというのが基本形です(2) 4年以内に半分が認知症に進行するとさています
(3) 平均で26%、4人に1人は健常に戻ります
(4) 健常に戻る要因としてあげられるのが、①複雑な知的活動を行う好奇心と②運動です
(5) MCIを早期発見することは重要です
(6) ところが「100引く7は何か」といった認知症機能テストを受けたくないと思うのが普通の高齢者の感覚で、早期発見は進みません
日本老年精神医学会が中心になって作った「MCIチェックリスト」が優れもののようです。
1.
特長(1)
1.1. 本人に答えてもらわなくても、家族や医療関係者が目に見えるその人の行動から兆候を見だせるのが特長です
1.2. 各項目に重み付けしておき、誰が回答しても適切な結果が出るように工夫されています
2.
特長(2)
アルツハイマーに限らずさまざまな認知症を早期発見できるよう作られています
2.1. アルツハイマー型
2.2. レビ一小体病(*1)
レビ一小体病には3徴と呼ばれる特徴的な症状があります。それは、①認知機能の変動、②繰り返し出現する幻視、③パーキンソン症状です
2.3. 前頭側頭型(*2)
記憶というより性格変化があり、万引きや窃盗をすることもあります
2.4. 意味性認知症(*2)
言葉の意味が分からないという症状(例えば、ようじの使い方は分かるのに名前が出てこない)
3.
所在不明
日本老年精神医学会のホームページを探したが見つかりませんでした。一般の人には非公開かもしれません。
<出典>
朝田隆、MCIチェックリストの活用を、セミナー「かかりつけ医による軽度認知障害(MCI)の早期発見と認知症の予防」(太陽生命保険・日本臨床内科医会 共催。2019/09/29)(*1) レビ一小体病については、
http://sodan.e-65.net/basic/ninchisho/lewy.html
(*2)前頭側頭型、意味性認知症については、
https://www.osaka-ninchisho.jp/osakan/photos/info/info-15-1.pdf前頭側頭型認知症の約8割は、ピック病だといわれています。「記憶というより性格変化があり、万引きや窃盗をすることもあります」は、ピック病の特徴。意味性認知症も前頭側頭型に分類されます(添付図参照)
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