2020年7月8日水曜日

(K1164)  悲しみは乗り越えられない <看取り>


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残された方々は「悲しみは乗り越えられない」といいます。残された家族は「悲しみとともに生きている」といいます。悲しみを味わい尽くす作業の末に、悲しみと一つになって … 以前の自分とは違う人生を生きていく
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===== 引用はじめ
 私は、在宅医療で看取りを行う場合、ご家族に「お別れをきちんとしてほしい」と必ずお伝えします。それは、予期せぬ場合やお別れが十分できていない場合、残された家族に乗り越えがたい悲しみをもたらすからです。
 残された方の悲しみを癒やすケアを「グリーフケア」といいます。当事者の方々の悲しい、つらい気持ちに、ただただ耳を傾けます。引き裂かれる悲しみは想像を超えるつらさであり、耐えがたいものです。残された方々は「悲しみは乗り越えられない」といいます。
 残された家族は「悲しみとともに生きている」といいます。悲しみを味わい尽くす作業の末に、悲しみと一つになって、時には亡くした家族と心の中で語り合いながら、悲しみを背負う以前の自分とは違う人生を生きていくのです。これは、グリーフケアを学ぶ前には想像がつきませんでしたが、残された方々は輝かしいほどの生を生きておられます。ただ、そこに至るまでは大変長い時間を要しますし、それは支えとなる聴き手が必要な過程です。
===== 引用おわり

<出典>
悲しみに耳傾けるケア必要
【一聞百見】産経新聞(2020/06/09)
【一聞百見】病院か家か 人生最後の選択に向き合う 在宅医師・尾崎容子さん


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