2021年1月3日日曜日

(K1344)  医療逼迫の大阪 「第3波」クラスターの4割は高齢者施設 <高齢者の施設>

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感染防止策として施設内を感染区域と安全区域に分け、別々の当直態勢を取った。職員数を増やしたわけではなかったため、ある職員は「夜勤の回数が増え、疲弊した。ギリギリの状態だった」と明かす

☆☆

 

 重症化しやすい高齢者と向き合う職員には介護と感染症対策の二重の負担がのしかかる。

 

 大阪府によると「第3波」の10月10日以降、12月23日までに

  54カ所の高齢者施設でクラスターが発生。

  全クラスター感染者(2620人)の約4割に相当する1017人が感染した。

  この間、確認された死者281人の9割超(274人)が60代以上で、

  高齢者施設関連は75人(26・7%)に上る。

 

【目次】

(1)  音もなく忍び寄ってくる恐怖感がある

(2)  外部から利用者を受け入れている以上、ウイルスの侵入を完全に防ぐのは難しい

(3)  いかに早く感染を把握し、迅速に押さえ込むかが課題だ

(4)  保健所に収束を報告した

(5)  だが、不安は今も消えてはいない。

 

【展開】

(1)  音もなく忍び寄ってくる恐怖感がある

 介護老人保健施設「はーとぴあ」(大阪府守口市)施設長の医師、大野悦子さんは、

新型コロナの感染力を「音もなく忍び寄ってくる恐怖感がある」と表現する。

 

(2)  外部から利用者を受け入れている以上、ウイルスの侵入を完全に防ぐのは難しい

 大野さんは「亡くなった利用者の方に申し訳ない」と悔やむ一方、「外部から利用者を受け入れている以上、ウイルスの侵入を完全に防ぐのは難しい」と限界を認める。

 施設で初めて感染が確認されたのは11月16日。約1週間前にデイケアを利用した高齢者だった。翌17日には2人目の感染が判明。この高齢者と同じ日にデイケアを利用後、短期滞在もしていた利用者だった。これまでも消毒や換気、マスクの着用、職員の研修は行っていた。

 

(3)  いかに早く感染を把握し、迅速に押さえ込むかが課題だ

 高齢者施設でのクラスター(感染者集団)発生は重症化や死亡につながるリスクが高い。いかに早く感染を把握し、迅速に押さえ込むかが課題だ

 施設は4階建てで、短期滞在者は入所者がいる2~4階を使う。感染拡大を懸念した同施設は、すぐ新規の受け入れを停止。職員と利用者を複数回にわたり一斉検査した結果、検査人数は延べ約550人に上り、利用者5人と職員1人の計6人の感染が判明し、うち利用者2人が亡くなった。

 

(4)  保健所に収束を報告した

 感染判明から3週間後の12月7日、保健所に収束を報告。翌8日から新規の入所受け入れとデイケアを再開し、年末年始は正月三が日を除き利用者を受け入れる。

 

(5)  だが、不安は今も消えてはいない。

 クラスター発生後、職員はマスクに加えゴーグルかフェースシールドの着用を徹底しているが、入浴や排泄(はいせつ)などの介助時はどうしても体が密着する。高齢のため耳が聞こえにくい人が多い利用者との会話は、声が大きくなりがちだ。認知症高齢者の中には、マスクを外したり、施設内を歩き回ったりする人もいる。こまめに声掛けし、感染防止メッセージをイラスト付きで掲示するなど地道な対応を重ね、基本的対策の習慣化を目指している

 

<出典>

医療逼迫の大阪 「第3波」クラスターの4割は高齢者施設

産経新聞(2021/12/31)

https://www.sankei.com/life/news/201230/lif2012300016-n1.html




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