2021年1月19日火曜日

(K1359)  日本人・日本を豊かにするには / 「国民の8割は65歳を超えても働きたい」なぜそんな統計結果が出るのか(3) <高齢期の仕事>

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引退に伴う喪失をカバーしてくれるものは、三つある。仕事、ボランティア、  趣味。「豊かさ」を経済的豊かさに限定するなら、確かに仕事。しかし、経済的豊かさではカバーできない豊かさもある。ボランティア、趣味

☆☆

 

(K1358)からの続き

 

 前回、「純粋に働きたと思っている人」と「生活の為に働かざるを得ない」との合計、という表現をしたが、それだけではないだろう。「純粋に働きたと思っている人」には、様々な要因がある。

 

 働くことは、収入をもたらす以外にも、さまざまなものを与えてくれる

   収入

   自尊心 … 肩書がある

 「○○会社部長」の名詞を使えなくなり、一老人に「なりさがってしまう」

   活動の場 … 活躍できる場がある

 生きがいを見失ってしまう

   活動の仲間 … 否応なく人間関係の中にいる

 孤独になると、おかしくなる人が多い

   居場所

 自宅以外にも、居場所が欲しい

 

 働くことを止めることは、収入以外にもさまざまな喪失を伴う。若い時に気づかなかった喪失が、高齢に伴い切実な問題と気づく。気づいた人はしあわせで、気づかない人は、家に籠って、くすぶってしまい、「熟年離婚」になってしまうこともあるだろう。

 

 気付いた人は幸いだが、選択肢として仕事しかないのは、不幸だ。引退に伴う喪失をカバーしてくれるものは、三つある

(A) 仕事

(B) ボランティア

(C) 趣味

 

 収入の制限がある人は、(A)しか選択肢がないかもしれないが、そうでない人は、3つの選択肢がある。「豊かさ」を経済的豊かさに限定するなら、確かに(A)である。しかし、経済的豊かさではカバーできない豊かさもある。それが(B)(C)である。

 現役の人は、(A)に重点が置くのは自然である。自分や家族の為に収入が、必要だろう。そこで手薄になった(B)(C)の豊かさを実現するのは、(経済的に余裕のある)引退者の大切な役割であり、これにより、日本人も日本も、多様な豊かさを享受できるようになる。

 

 それを仕事にのみ誘導しようという政策には、疑問を感じる。

 少子高齢化に伴い、働き手が不足する事情はわかる。だが、経済的な豊かさを無視しては、日本人も日本も、真の意味で豊かになることを妨げる。

 

このシリーズ終わり。

 

<出典>

添付図は、以下からのイメージ写真

https://www.msn.com/ja-jp/money/career/%E5%9B%BD%E6%B0%91%E3%81%AE8%E5%89%B2%E3%81%AF65%E6%AD%B3%E3%82%92%E8%B6%85%E3%81%88%E3%81%A6%E3%82%82%E5%83%8D%E3%81%8D%E3%81%9F%E3%81%84-%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%81%9D%E3%82%93%E3%81%AA%E7%B5%B1%E8%A8%88%E7%B5%90%E6%9E%9C%E3%81%8C%E5%87%BA%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B/ar-BB1cK3IL?ocid=msedgntp



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