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認知症の人は、その人なりの世界の中で生きています。そこは、私たちの常識の基準とは少しずれている世界だといえます。認知症の人の世界の常識に当てはめてみれば、どんな行動も、その人なりに考えてのことです
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とても良い本なので、紹介してきました。最後に目次の主要部分を抜き書きして、このシリーズを終わります。詳細は、本を購入してご確認ください。
杉山孝博、「認知症の人の不可解な行動がわかる本」、講談社
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認知症の人の世界を理解する9大法則と1原則
1.
始まりはささいな異変から
もの忘れ: 捜し物や忘れ物をすることが増えた
もの忘れ: 話したかどうかわからなくなる
判断力・理解力の衰え: 簡単な計算なのにわからない
見当識の喪失: 待ち合わせ時刻や場所を間違える
人柄が変わる: ささいなことで無性にいらだつ
不安を抱く: ひとりになると寂しくてしかたがない
2.
徐々に日常が混乱していく
もの盗られ妄想: 財布がない。盗まれたに違いない
被害妄想: 私なんていないほうがよいのだろう
帰宅願望: もう家に帰らないといけない
家族を忘れる: 息子はまだ小学生のはずだけど
昼夜逆転: 今が何時なのかよくわからない
状況の混乱: 早く会社に行かないと仕事が滞る
着衣の混乱: お気に入りの服を着替えたくない
過食/拒食: 食事はまだ出てこないのかな
入浴の拒否: お風呂場でけがをしそうでいやだ
排泄の混乱: トイレはどこ?・どうしたらいい?
3.
周辺症状の背景にあるもの
万引き: 店でみかけたから、家に持ち帰った
収集癖: まだ使えるからもったいない
徘徊: 今、私は一体どこにいるのだろう
異食: よくわからないけれどおいしそう
弄便: ズボンがモゾモゾするから取り出した
暴力をふるう: 私を侮辱するなんてひどい
性的逸脱行為: 愛し、愛され、必要とされたい
作話: 犯人は私じゃない、猫がやったのでは
幻覚: 家の中にまったく知らない人がいる
鏡現象人形現象: 懐かしい人と楽しくおしゃベリ
火の不始末: なんだか熱いような気がするけれど
詐欺被害: あの人が勧める商品なら買いたい
4.
後悔しないために介護者ができること
家族の心理: 時間の経過で変化する
受診: 「私の病院につきあって」という
服薬: 薬剤師と協力して服薬をささえる
リハビリ: 趣味や役割を通じて症状を遅らせる
家計: 介護にかかわる費用の悩みも見逃せない
介護者のケア: 自分の健康管理も忘れないで
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